最後に男の子から笑顔で話かけられたのはいつの事だっただろうーー
私の名前はジャイ子。
学校で頭はってるジャイアンの妹。
体重は90キロ。もはやデブというより巨漢。
服は小学生なのに男性用の3Lを着ている。
家では末っ子であることから甘やかされ、学校でもガキ大将の妹である私は、やることなすことなんでも許されてきた
友達からは疎まれ、親戚や近所の人すらも距離を置かれた。
さらに自分がデブである事で自暴自棄になり性格の悪さに拍車をかけ、心は荒みきり、もはや色々な事を諦めた
様々なダイエットにも挑戦してきたものの、一度も痩せることが出来ず、全てを周りのせいや社会のせいにすることでなんとか自尊心を保ち生き長らえてきた
そんな自分の将来をふと考えると、得体のしれない形容しがたい恐怖を感じて、それ以上はもう未来の事を考えたくもなかった
これは、そんなある日のお話。
ジャイ子としずかから学ぶダイエットにおいて重要な「思考」
ジャイアン「ジャイ子、最近またダイエット頑張ってるらしいな?お前もプロテイン飲んでみたらどうだ?」
ジャイ子「プロテインて、あの飲むとムキムキになるヤツでしょ??余計太るやんバッカジャネーノ」
ジャイアン「そうなのかなあ、よく知らんけど。でもしずちゃんはプロテインを上手く使って痩せたらしいぞ。しずちゃんも昔は体重120キロあったのに、今じゃモデル体型だからなあ。」
ジャイ子「え?あの、皆のアイドルしずかちゃんにそんな過去が...?」
ジャイアン「なんだ知らなかったのか?しずちゃんなんてジャイ子よりも重かったんだぞ。昔のアダ名、マツコだったしな。もうとんでもなかったぞ」
ジャイ子「はえ~~、、、そうと分かったらしずちゃんに話聞きに行くお!すぐ出発だお!」 ドアガチャ
~しずか宅~
しずか「あらジャイ子ちゃん、どうしたの?突然。」
ジャイ子「しずちゃん、プロテインを飲めば痩せるってマジ!?」
しずか「う~ん、まあマジっちゃマジ。」
ジャイ子「お願い!しずかちゃんが痩せた方法、教えろください!!」
しずか「私が痩せた方法??知りたいの??」
ジャイ子「ハイ!知りたいです!!」
しずか「・・・・・。」
しずかはしばらく黙って目をつぶった後、口を開いた。
しずか「分かったわ。で、私に何を聞きたいワケ?」
ジャイ子「どのプロテインを買えばいいかとか毎日どのくらい飲めば痩せるかとか!」
しずか「つまり、オススメのダイエット向けプロテインとかプロテインの飲み方とかを知りたいってこと?そんなもん、ネットや本に腐るほど書いてあるわよ。ホラ」ポチポチ
しずかはスマホを取り出し、私に画面を見せてきた
ジャイ子「いやいや 私はそんなのが知りたいんじゃなくてさ、しずかちゃんが実際にどのプロテインを飲んでどんな風に何g飲んでどのくらい痩せたかを細かく知りたいの!どっかの知らない人のあいまいな話じゃなくて、成功した人の具体的な話だけを聞きたいの!出来れば毎日の食事例も!」
しずか「うんうん。なるほどね。本当にそれを聞いて、私の通りにやって、うまくいくと思ってる?」
ジャイ子「うん!!絶対うまくいく!!」
私が自信満々の顔でそう言い放った瞬間、しずかはバキの背中のような顔になった
しずか「この、アホンダラァ!!!」バシーン
ジャイ子「はうわっ」ビクー
しずかは人が変わったかのようにガチのビンタをかましてきた。
しずか「あっ、ご、ごめんなさい。つい」
すぐにしずかは取り繕ったが、目の奥は範馬刃牙のままだ
しずか「じゃあ、今までも同じように痩せようと頑張ってテレビとか雑誌とか色んなダイエット方法を真似してきたのになんでアナタが今まで痩せなかったのか、分かる?」
ジャイ子「わ、わかりません」ブルブル
しずか「これだけで1か月で〇〇キロ痩せました!とか、〇〇するだけで痩せる!とか、ランニング〇時間分の効果!だとか、〇〇を飲んでカロリーをリセット!とか、そんなもんをよく調べもせずに鵜呑みにしてきたからでしょ。それ、ぜーんぶ自分のせいなのよ。」
私はハッとした。
ジャイ子「自分のせい...?」
しずか「そうよ。自分のせいだなんて考えた事なかったでしょう。でもそれは全て、そのなんでも面倒くさがる考え方が根本の原因なのよ。まあ他にもいろいろあるんだけど」
しずか「だから正しくダイエットをしたい、まずは頭から『面倒くさい』という考えを捨てないと。マジ命取りになるから。」
しずか「例えばさっきも、『プロテイン飲めば痩せる?』って聞いてきたでしょ。プロテイン飲むにしても、普段の食事にプラスアルファでプロテイン飲んだらカロリー増えるだけでしょ。なにに置いても『〇〇すれば痩せる』っていう考え方やめなさい。」
確かに。
これまでの私の考え方だと「痩せたしずかはプロテインを飲んでいた」=「プロテインを飲めば痩せる、プロテインはダイエット効果がある」みたいな感じで短絡的に考えていた。
よくよく考えてみれば、プロテインは単なるタンパク質なのだからダイエット効果もクソもないのだ。あくまでもダイエットを効率的にするためのサプリに過ぎないのだ。
それを考えれば、プロテインを普段の食事にプラスしてただ飲むだけで痩せるワケはないのは少し考えれば分かることだった。
私はふと、既に自分の考え方がいつもとは少し変わってきている事に気づいた。
しずか「そうやってよく分かってないのに他の人の真似だけしようとばかりしてると想定外なシーンに遭遇した時にどうすればいいかわからなくなって挫折するのよ。その人と全く同じ生活送ってるわけじゃないんだから当然よ。まあ例えるなら算数で言うと答えだけを丸暗記してるようなもんだからね。式を学びなさい式を」
私は過去にしてきたダイエットを思い出した。正にしずかが言っている通りだった。
しずか「確かに、誰かから答えだけをずーっと教えてもらいながら頑張るのもそれはそれでアリっちゃアリなんだけど、毎日永遠につきっきりじゃないとダメでしょ。そんなもんパーソナルトレーナーでもないと不可能よ。そもそも私、アナタから金もらってるワケでもないんだけど。私の時間とか、そこんとこどう考えてんの?てかいきなりやってきて痩せ方教えろとか、何様?」
私は涙目になり、何も言えなくなった。
しずかは真顔のまま、続けざまに言った。
しずか「ダイエットっていうのはね、動かすのはカラダだけだと思ってたら大間違いなの。頭も動かすの。でもデブは動くことどころか、考えることすら面倒くさがるの。デブは脳からデブが来てるといっても過言ではないの」
ジャイ子「脳からデブが...確かに....。いつもやり方とか知識とかカロリー計算とかダイエットの事を色々考えてくうちにこんがらがってきちゃって嫌になってた...」
しずか「そう、さっきも同じでしょ。面倒くさいという理由で私のやり方をまんまコピーしようとした。余計な事を考えたくないから。ホラ、考え方からもうデブがにじみ出てる」
私は、何か長い眠りから目覚めた気がした。考えるのを面倒くさがった結果そのシワ寄せが自分に返って来てたのだ、と気付いた。
しずか「カラダなんて千差万別なんだから、人それぞれ適したやり方があるのよ。ダイエットに成功する人はね、皆何かを参考にすることはあっても最終的には自分で工夫して、試行錯誤しながら行動してんの。減った体重っていうのは努力の結晶なの。あんまダイエッター舐めてたらダメよ。」
ジャイ子「よ、よくわかりました。じゃあプロテインもちゃんと理解した上で飲んだ方がいいのか。。」
しずか「そう。プロテインダイエットするにしても『なぜプロテインがよいのか』を理解してない奴はいずれ失敗する。ちなみにここで言う『失敗する』っていうのは、痩せないって事に限らないわよ。不安になって途中で辞めるっていうのも失敗。」
ジャイ子「だから私は今まで簡単に信じ込んだり、逆に簡単に途中で投げ出してきたのか...よくわからないまま始めてたから不安になってたのかもしれない」
しずか「どんなダイエットでもその根っこを理解してたら『ホントにこれで痩せるのかな』なんてそんな不安、頭に浮かぶはずがないの。ちなみにもし根っこから理解してても不安になるのなら、そのダイエット方法自体がそもそも正しくない可能性あるからやめなさい。」
しずか「てことで前置き長くなったけど、プロテインを上手く飲めば痩せるよ。まあ食事の置き換えが大前提だけど」
まとめ:ダイエット失敗続きだった人は思考が停止している可能性があるから省みよう。ちなみにプロテイン置き換えダイエットについてのヒントは下記記事に全て書いてある。
しずか「でもね、だからといってあまり小難しく考えすぎるのもダメよ。ほどよい適当さも大事」
ジャイ子「なるほど。。頭働かせすぎてもダメなのか、難しい。。」
しずか「そう。だからそれまで全く痩せなかったのに、誰かの本やブログを読んで自分の力だけで痩せていく人っていうのは本当にスゴイの。」
ジャイ子「私もスゴイって言われるように頑張る!」
しずか「そうね。でもアナタの場合、他にも知っとかないといけない大切な考え方が多分たくさんありそうね」
ジャイ子「え?他にも?教えて教えて!!」
しずか「うん。だいたい大きく3つくらいはあるんだけどね。まあテキ村のその時の気分にもよるから2つになるかも4つになるかもしれないけど」
ジャイ子「じゃあそれまで、さっきのプロテインの記事読んで自分なりにいろいろ試してみます!」
しずか「早速分かってきたわね。頑張ってね」
しずか宅を後にした私は、あんなに酷い言われようをしたのになぜか気分が晴々していた。
今までの決意とは何か違うーー。
私は感じたことのないワクワク感を胸に抱き、家路についた
二話へ続く
ジャイ子が痩身エステに行ってみた【ジャイ子ダイエット第2話】 - 痩せない豚は幻想を捨てろ。