テキ村です
今日は代謝を上げる方法と仕組みについて、だいぶ突っ込んだ話をするよ。
そもそも「代謝」とは何なのか?どうすれば代謝は上がるのか?運動せずに代謝を上げる事は果たして可能なのか?などなど、実際の検証事例を交えて解説する
「サウナで代謝を上げよう」とかいうなんの根拠もない謎のダイエットまとめサイトの運営者は100回は繰り返し読んで下さいね。
※なるべく分かりやすくは書いたけど生理学的根拠も多くまとめてるからアカデミックな感じが嫌いな人は各項目の結論部分だけ見ると分かりやすいよ。
しっかり理解したい人・元々知識がある人は全部読むと新たな発見があるかもしれない。
代謝を上げることが最も効率的なダイエットである
そもそも代謝とは何か
食べ物が「代謝する」 と言う場合は主に「エネルギーに変わる」事を意味する。
例えば糖質は食べて代謝されてエネルギーになったあとどこへ行くのかって言うと、基本的には水と二酸化炭素になる。
つまり汗や息だな。これが「代謝される」ということ。
でも炭水化物が食べたあと水とCO2になるなんてこたぁこのサイトの読者は誰も興味がないし、「代謝を上げよう」とかで言われる代謝は一般的に「基礎代謝」(BMR)の事だよね。て事で今日はここにフォーカスする
基礎代謝とは一日でなにもしなくても消費されるカロリーのことである。
喋りもしないし食べもしないし歩きもしない、呼吸・臓器の活動・血液循環など、生命維持や生理現象のみで消費するカロリー。つまり一日の総消費カロリーは基礎代謝よりもいくらか高くなる。
基礎代謝を上げれば、運動しなくても勝手に消費されるカロリーが増えるわけだからおのずと痩せやすくなる。
まあこの辺はミジンコでも分かるとして、では自分の基礎代謝量はどうやって知ればいいのか。
そもそも人間の基礎代謝なんてどんだけ頑張っても正確に算出する事はできないんだけどだいたいの目途を付けることはできる。以下基礎代謝の求め方。
【ハリス・ベネディクト方程式】
男性: 13.397×体重kg+4.799×身長cm−5.677×年齢+88.362
女性: 9.247×体重kg+3.098×身長cm−4.33×年齢+447.593
超めんどくない?
誰もやらんだろこんなもん
最初からそっち出せよって感じなんだけど、下記のサイトで身長と体重を入力すると簡単に計算できるから後で見てみてね。
これが、基礎代謝。
基礎代謝は前述した通り、何もしなくても消費されるカロリー。
基礎代謝は一日で消費するカロリーの70%と言われてるから、基礎代謝の約1.5倍が概ねの一日の総消費カロリーとなる(=メンテナンスカロリー)。ただし、生活の中での運動量が極端に少ない場合はこれより少なくなる。
ここの数値は個々の運動レベルによって細かく変わってくる。
例えば、全く運動しないし、座位の仕事なら基礎代謝×1.3。
通勤通学に加えて週に2、3回程度運動をするなら、基礎代謝×1.5。
肉体労働系、ハードに運動するなら基礎代謝×1.7。
といった具合になる。
この総消費カロリーを毎日の摂取カロリーにすると体重が減りもしないし増えもしなくなる。これをメンテナンスカロリーとも呼ぶ。
メンテナンスカロリーは運動量レベルによって大きく左右されるため、安易に運動レベルを盛るのは厳禁である。
ちなみにダイエットで食事制限をする場合、摂取カロリーを基礎代謝以下にすると基礎代謝が下がりやすいと言われているから一日の総摂取カロリーはメンテナンスカロリー以下・基礎代謝以上のカロリーに設定することを推奨されている。
まあ減量すれば代謝は少なからず絶対に下がるから個人的にはさほど気にする事もないと思うけど。。
では具体的に代謝を上げるために有効な方法は何か。
代謝を上げる有効な方法
結論から言うと筋トレするのが最も早い。でも実は運動をしなくても代謝を上げることは出来る。
以下、代謝を上げる三つの方法。
筋トレをして筋肉量を増やす
これが一番分かりやすいかな。
筋肉量が増えればシンプルに基礎代謝としての消費カロリーが増える=痩せやすくなる。
しかし、たまにTwitterにウヨウヨ生息するこんな筋肉博士からコメントされることがある。
筋肉博士:「筋肉を増やすことによって上がる基礎代謝は、筋肉1㎏あたり約13kcalだから筋トレはあまり意味がないよ(ドヤァ)」
この筋肉博士はパッと見、物知り風に見えるんだけどこれはめちゃめちゃ短絡的な考えと言わざるを得ない。
もし自分のパーソナルトレーナーがこんな事を言い出したら一刻も早くジムを変えろ。筋肉㎏当たりの単純な代謝だけを取り上げる奴はあまりにも脳筋すぎる。
では筋トレをすると一体どの程度代謝が上がるのか、いくつかまとめた。
以前書いた初心者向け筋トレ記事でも軽く言及したけど、人には「インスリン・ヒエラルキー」というのがあって、筋肉が多い人ほど脂肪以上に筋肉のインスリン感受性が高まる。(インスリンとはいわば、糖の運び屋)
つまり簡単に言うと、筋肉が少ない人は糖が脂肪として吸収されやすいけど、筋肉が多い人は糖が筋肉のエネルギーになりやすいって事。
これは個人的には消費カロリーの数字以上に、太りやすさ・痩せやすさを決定づける一因になっていると考えてるよ。
さらに最近の研究では、筋肉中に存在するサルコリピンというたんぱく質が、非ふるえ熱産生(つまり安静時のカロリー消費)に大きく貢献していることも分かっているよ。
【引用:nature medicine】
これらをまとめると、明確にはされてないけど潜在的には筋肉が1kg増えると一日50~100kcalないしはそれ以上の消費カロリーが増えると言われているから、一か月に換算したらものすごく大きいよな。プラスアルファ、筋トレする事自体もカロリーは消費するし。
ダイエットにおいて筋トレは大いに有効だし、代謝を上げるためにも最も効率的。
食事で代謝を上げる
別にちゃんと三食食べろとか朝飯を欠かすなとかそういう事ではない。
確かに食事をする事で代謝のUPはあるけど、食べたカロリーの元は取れない。食事を摂ること、それ自体によって発生する消費カロリー(食事誘発性熱産生)はたかが知れているよ(摂取カロリーの約10%)
個人的には「しっかり一日三食食べた方が結果的には痩せるよ」という説はあまり支持していない。
食べるなとは言わない。でも実際俺は減量中にプロテイン(+少量の低脂肪乳)以外の朝食を一切摂らない。
俺がここで言いたいのはビタミンを多く摂れということ。あと言うまでもなくたんぱく質も。
ちなみにタンパク質を食べることによる消費カロリーも、炭水化物・脂質に比べて圧倒的に高い。(摂取カロリーの30%)
まずビタミンだけど具体的にはビタミンB群を多く摂ってほしい。もうこれはウザいくらい言ってるな。
このサイトの読者はすでに意識的にビタミンを摂取してるはずだからもうサイコーだし言うまでもないけど、ビタミンB群はたんぱく質の合成に大きく関わる。のは知ってると思うけどエネルギー代謝も促進するんだよ。
具体的には、主に解糖系過程でグルコース(つまり糖質)がミトコンドリア内でエネルギーに変換(ATP産生)される時に補助する必須の栄養となる。まあこの辺の小難しい話はどうだっていい。
つまりエネルギー代謝とビタミンBは密接な関係がある。
話をまとめると、特に食事制限中は栄養不足によって代謝が落ちやすいからビタミンBの意識的な摂取はエネルギー消費を円滑にするために必要なんだよ。
ダイエットの時は食事を制限するだけでなくビタミンB群を多く摂ろう。
ちなみにビタミンBは水溶性だから少量を頻繁に摂ることがコツ。ビタミンADEKの四種は脂溶性だからある程度まとめていってもまあいいかな。
褐色脂肪細胞を活性化させる
これはいかにも怠惰なデブが食いつきそう。一切運動をせずに代謝を上げることができる。
「褐色脂肪細胞」って聞いたことくらいはあると思うんだけど、脂肪には大きく二種類存在して白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞がある。
この二つの脂肪細胞は同じ脂肪なのにまるで真逆の特徴をもっているよ。
まず白色脂肪細胞(WAT)は、エネルギーをため込む脂肪細胞。いわゆる体脂肪の事だな。具体的には皮下脂肪や内臓脂肪。
対して褐色脂肪細胞(BAT)は真逆で、中にミトコンドリアが存在していて脂肪を分解して熱を産生する脂肪細胞。
つまり、褐色脂肪細胞はカロリーを消費してくれる。
ということは、理論的には褐色脂肪細胞が多いほど痩せやすくなるよな。
がしかし、残念ながら褐色脂肪細胞は成長とともに減少し続け、新しく増えることはない。
でも「ある方法」で褐色脂肪細胞を活性化させることはできる。そしてその結果、痩せやすくなる。
これは少し前まで迷信というか明確な効果はないとされていたんだけど、京都大学と生理学研究所が検証して生理学的根拠が得られた。
【引用:生理学研究所】
褐色脂肪細胞を活性化させるとなぜ痩せるのか。
その背景には寒冷刺激によりTRPV2チャネルの発現量が増え、ミトコンドリア内の脱共役たんぱく質の活動があーだこーだなってまあつまらん話が続いて5万人くらいブロックされるので省く。
とりあえず上記引用元を簡単にまとめると「褐色脂肪細胞が活性化する=代謝が上がる」のは概ね間違いないと思ってもらって差し支えない。
で、肝心の褐色脂肪細胞を活性化させる事ができた方法だけど、
寒冷刺激を与える。つまり体を冷やすだけ。
具体的には、
- 首の後ろ、首周り、肩甲骨周辺、この辺りをビニール袋に入れた冷水(冷たければ冷たいほどいい、できれば氷水)で冷やす。5分ほど。
- あとは単純に寒さの中に身を置くこと。水風呂なども有効と思われる。
しかし、ここで全デブが泣く感動的な話を知らせないといけない。
この首周りを冷やす方法は、ある程度細身の人では効果が顕著に表れるけど肥満すぎる人の場合ぶ厚い皮下脂肪に阻まれて冷たい刺激が上手く伝わらず、効果が大幅に減少する事が海外の研究で分かってるんだよね。
デブ強い。せっかくたくさんの研究者が時間を使って実験したのに大量の脂肪が全てを無駄にしてしまった
BMI30みたいなヤツはまず食事制限と有酸素運動してある程度まで痩せるしかないな。ファイト。
ちなみにこの方法は代謝を上げ、脂肪の消費を促進させるだけでなく、むくみの解消にも貢献するよ。カリウム・ビタミンBの摂取とともに冷水当てを行うとむくみでパンパンなのも少しはマシになるかもしれない。
また、肩甲骨をストレッチさせると褐色脂肪細胞が活性化するとかいう話もあるけど、これは全く根拠に欠けるのでまあシカトでいい。
いずれにせよ褐色脂肪細胞を一時的に活性化して増える消費カロリーは筋トレによるそれとは遠く及ばないと思う。
代謝を上げる方法まとめ
タンパク質・ビタミンを摂って筋トレすべし 以上
サウナスーツなんか着て「代謝上げてるの今!」なんて言ってたらマジでアホだと思われるから今すぐやめろ。汗をかく事とカロリーの消費は全く関係がない。
ちなみに今回は代謝を上げる方法にフォーカスしたけど、消費カロリーを増やすこともダイエットする上で非常に重要だよ。(タクシーを使わず歩く、エスカレーターじゃなく階段を使う、など)
はい理屈が分かったらすぐ行動。初心者におすすめの自宅筋トレはこちら。
筋トレ+プロテインで効率よく代謝アップ。
ジムでの筋トレについては今書いてるからちょっと待ってね